実は知らなかったのだけど、PENTAXから新型デジタル一眼のk-xなるものが発売されていた。
…なんだこのカラーバリエーション戦略は…
PENTAXって時々こういう面白いことやってくれるんですよねえ。
PENTAXの人気機種というとKX・MX・LXの「3X」なんていわれているけど、僕はMXとLXは持ってるけど、KXは買っても多分使わないだろう、と思って持っていない。
なので、一瞬「k-x」をプラスして「3X」にしてやろうか、と思ってしまった。
でも、ねえ…
僕がアナログカメラでPENTAXばかり使っているのは、手が小さいので小型軽量だから手にしっくりくる、というのが一番の理由だけど、メーカーとしても時々こういう面白い展開をしてくれるので好きだ。
オリンパスのOM-1より0.5mずつ小さくして「世界最小一眼レフ」をもぎ獲ったMXしかり、作り手の心意気の塊みたいなLXしかり、AFカメラにMF操作のダイヤルをつけたMZ-5しかり、液晶とダイヤルを組み合わせた実験的な意欲作MZ-Sしかり、持ってるだけで嬉しくなりそうなFAリミテッドレンズしかり、なぜかニコンもキャノンも作っていない中判の645に67しかり、そういえば、世界初のモードラ付(K2DMD)とか、世界初のAF(ME-F)もペンタだった(と思う)。
徳川・豊臣に対する真田幸村みたいで、好きだな、こういう姿勢。
とはいうものの、k-x、いまのところ、買おうという気は残念ながらおきない。
別に何が悪い、というわけではなく、どうもデジタル一眼自体を買おうという気がまだおきないのだ。
便利なのはわかるけど、何年使えるんだろうか、と考えるとなんとなく空しく感じてしまう。
僕の持ってるLXはシリアル番号から多分80年代後半のもので20年前のもの、今年3月にニューヨークにいった時持っていったMXは30年以上前の代物。一番新しいMZ-Sだってもう8年は経とうとしている。
MXは中古で買ってシャッターが不調になったので長谷川工作所さんで修理してもらったけど、こういうことはデジカメではまず無理だ。
MZ-Sだって、賛否両論あったカメラで、性能に文句いいつつ一部では偏愛する人も出てくる、というカルト・カメラ扱いだが、グリップは僕の手で採寸したのか、と思うぐらいぴったりだし、けったいなもの好きな僕としては、こういうとんがったデザインは大好きなので使い続けたいと思う。
ちなみにあのジャミラボディは、先にデザインありきではなく、ダイヤルという円形の中に液晶を組み込むのに、表示面積を確保するため、斜めにしたんだと思う。円形の場合、四角より大きくしないと表示可能な面積が狭くなるからだ。
決してデジカメが高いとは思わない。僕がはじめてデジタルカメラの存在を知った時は600万円(!)という値段表記がしてあって、絶対印刷ミスだろう、と思ったぐらい。もちろん今となっては使い物になるスペックではない。
また、ニコンのFは発売当時6万だったらしいが、このk-xも約6万。
高級機とエントリー機の違いはさっ引くとしても、大卒初任給が1万だった時代の6万の価値を考えると今のカメラの6万というのは、恐ろしい安さだと思う。
昨年、カールツァイス「Planar T* 1.4/50 ZK」というレンズを買ってしまったが、これなどレンズだけ(単焦点で、AFも使えない)なのに5万ぐらいしたが、こう考えれば、どういう魔法なのか、と思う値段だ。
しかも中身の設計やら開発やらまでの経費と設備を考え合わせると、商品レビューサイトの書き込みなどで、金を出すのはこっちなのだ、と文句ばかり言ってる連中の神経を疑う。
ただ、昔のMF機と違い10年使うことはまずない、ということを考えたときに、ちょっと手をだしにくいものを感じてしまうのだ。
もっとも、買わない僕より、買って文句いう方がメーカーとしてはありがたいのかもしれないけど。
でも、どんなもんでしょうか。フィルムカメラと違い本体の性能自体が写真の出来に反映されるデジカメの場合、どのみちずっと使い続ける、というわけにいかないので、少々高くなってもいいからCCDなど中身だけユニット式にして交換できるようにはできないのかな、と思う。
精密・過密機器だから、ほぼ不可能、というのは無論承知で書いてるんですけどね、そうすれば、ボディだけは気にいったものをずっと使うことができるのに。